わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

読みました.
著者の西林さんは教育学部の教授をやっている方で,
教育という観点から書かれているのだなぁと感じる部分が多々ありました.

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)


この本では,文章において部分間に関連がついた状態を「わかった」状態とし,
逆に関連がつかない状態を「わからない」状態としています.
さらに,「わかった」状態の中でも浅い分かり方の状態を「わかったつもり」の状態とし,
ここに問題があると考えています.
「わからない」状態では人は積極的にそれをわかろうとするのに対し,
一種の「わかった」状態である「わかったつもり」の状態ではそれ以上わかろうとはしないからです.


以下,まとめの章から一部引用します.

「わかったつもり」という状態が、読みを深めるための大きな障害になること、そして、より細かな文脈を駆使して「わかったつもり」に当たれば効果があること、どのようなときに「わかったつもり」になりやすいかを知っておくこと、「読み」を深める上で読み手の「想像・仮定」が欠かせないのだが、それには整合性という条件が存在すること、以上が本書の概要です。


しかし難しいのは,「わかったつもり」の状態から一歩進んで「よりわかった」状態でさえも,
新たな「わかったつもり」の状態になってしまうということです.
もっとわかろう,もっとわかろう,とすれば,いつまで経っても文を読み終わりませんね.
ボクが日常的に読むような文章は,概要を理解すれば良い程度のものがほとんどです.
今回,この本を読んでなるほどと思えた考え方を,どのように活かしていくべきでしょうか.